退職代行を使いたいけれど「退職代行を使ったことが他の会社にバレないか心配」「退職代行を使うと転職で不利になるのでは?」と不安に思っている人も多いと思います。
でも心配する必要はありません。「いくつかの点」に注意すれば、退職代行を使っても他の会社にバレることも、転職で不利になることもありません。
そこでこのページでは「退職代行を利用した情報がどう扱われるか」について見ていきます。
退職代行を使っても転職で不利にならない

結論から言えば「退職代行を使った」ことで次の転職に対して不利に働くことは、基本的にありません。
その根拠になるのは「個人情報保護法」
個人情報保護法 第27条1項は、本人の同意なく個人データを第三者へ提供することを原則として禁止しており、法人・個人事業主を問わず、全ての事業者が対象となっています。
【個人情報保護法 第27条1項】
個人情報取扱事業者は、あらかじめ本人の同意を得ないで、個人データを第三者に提供してはならない。【出典:e-Gov】
「◯◯さんが退職代行を使って退職した」という情報は特定の個人と結びついた個人情報で、採用選考の過程で管理されれば個人データに該当します。
つまり、もし転職希望先の会社(A社)が前職の会社(B社)に問い合わせ、前職側が「本人の同意なく」退職の経緯や退職代行を使ってことについて答えた場合、B社は情報漏洩に対して安全管理措置義務違反等による行政処分や損害賠償責任を負い、A社も不正取得や不正提供の受領において法的責任や罰則の対象となる可能性があるわけです。
「退職代行を利用した」という情報を手にいれることは、前職・転職希望先ともに法律に触れることになり、あえてそのようなリスクを負うような会社はありません。
退職代行を使ったことがバレるケースとは
「退職代行を使った」という情報は法律上漏れることはありませんが、転職先にバレてしまうケースも考えられなくはありません。
実際に起こりうるケースとして、具体例を3つ挙げてみましょう。
- 業界や地域の狭さ
- 自分自身が原因
- リファレンスチェック
まず、同じ業界で狭い地域での転職となる場合は、転職先の採用担当者と前職の関係者が個人的に面識を持っていることがあります。前職の会社が意図的に違法な行為をしたわけではなく、人づての情報として伝わることが考えられます。
次に、自分自身が知人などに退職代行の利用を話したり、SNSにアップしたりすることで、転職先の採用担当者に情報が伝わる場合もあります。また、面接で退職理由を聞かれた際、その延長線上で正直に伝えてしまうことも考えられますが、聞かれていない不利な情報まで転職先に伝える必要はありません。
最後はリファレンスチェックです。リファレンスチェックとは、企業が採用選考において、応募者の前職や現職での勤務態度・実績・人柄などを知る第三者(元上司や同僚など)に確認する調査のことで、日本ではまだ一般的ではありませんが、外資系企業、幹部候補の採用、コンサルティング会社などでは、本人の同意の上で前職の上司や同僚へ照会を行うことがあります。
「自分自身が知人に話したり、SNSでつぶやいた結果、情報がまわり回って他の会社へ漏れるケース」を除けば、いずれもレアケースですので、自分自身が気をつけることで、退職代行を使ったことがバレるリスクを下げることができます。
もしバレたらどうなる?
ちなみに、もし仮に転職先の会社に退職代行を使ったことがバレたらどうなるのでしょうか?
退職代行の利用歴と採用選考における企業側の反応については、2026年4月に東京商工リサーチが調査を行なっていますが、まずはその調査結果について見ておきましょう。
退職代行の利用歴が分かった場合の会社対応
| 採用しない | 26.02% |
|---|---|
| 採用に慎重になる | 49.37% |
| 採用に影響しない | 23.78% |
| 採用に積極的になる | 0.81% |
「採用には影響しない」と回答している会社は1/4近くありますが、退職代行の利用履歴について好意的には捉えていない会社がまだまだ多く、1/4以上の会社は「採用しない」と答えています。
ただ、この調査の前提条件はあくまでも「退職代行の利用歴が分かった場合」です。通常、利用歴が転職先に伝わることはありませんので、転職には影響しませんので安心して大丈夫です。
退職代行を使っても転職で不利にならない!
転職で不利にならない為の基礎知識

退職代行を使った後、転職で不利にならない為に知っておきたい知識(質問)をいくつか挙げておきましょう。
履歴書や職務経歴書に記載するべき?
転職活動をする際に必要となる履歴書や職務経歴書ですが、退職代行を利用したことを伝える義務はなく、伝える必要もありません。
退職書類に退職代行の利用は記録される?
退職時の必要書類となる「離職票・社会保険(健康保険)資格喪失証明書・源泉徴収票」ですが、いずれも退職代行の利用は記録されません。
雇用保険の手続き、健康保険の喪失、年金記録、源泉徴収票のいずれにも「どうやって辞意を伝えたか」という情報は載りませんので、必要書類を通じて転職先に伝わる可能性はありません。
転職エージェントへ退職代行の利用を伝えるべき?
転職の際、転職サイトのエージェントサービスの利用を考えている人も多いと思いますが、その場合も転職エージェントに退職代行を利用したことを伝える必要はありません。
退職理由については確認されると思いますが、退職代行を使ったかについて聞かれることはありません。逆に聞いてくるような転職エージェントであればコンプライアンス上、問題ありですので、利用するのは避けるべきです。
リファレンスチェックは拒否できる?
企業が採用活動をする上でリファレンスチェックを適法に実施するには、原則として応募者本人に調査の目的・範囲・照会先・質問項目を事前に説明し、同意を得た上で、必要最小限の範囲で情報取得を行う必要があります。
つまり、リファレンスチェックには本人の同意が必要ですので、応募者は断ることができます。
ただ、拒否をストレートに伝えると選考上マイナスに扱われる可能性がありますので、「現職に在籍中で、転職活動を知られたくない」など慎重で一般的に受け入れられやすい伝え方にするのが良いでしょう。
まとめ

退職代行を利用しても転職に不利に働くことはありません。
確かに企業側の心証はよくありませんが、実際は個人情報保護法に守られているため会社側が知る術はなく、退職代行の利用が転職先にバレることは非常に稀です。
もしバレる理由があるとすれば、以下の3つが考えられますが、この中で特に注意すべきは自分が知り合いに話したり、SNSなどにアップするケース。
- 業界や地域の狭さ
- 自分自身が原因
- リファレンスチェック
自分自身が気をつけることで、退職代行の利用が転職に影響することを避けることができます。
自分で会社へ退職の意思を伝えられるのであれば、それがベストですが、伝えられない・伝えても上司に取り合ってもらえないなら、躊躇なく退職代行を使うべきです。