退職代行モームリは違法?撃退方法を教えます!

退職代行モームリは違法

本記事は労働問題のシンクタンクである広域ユニオン総研が作成しています。

退職代行モームリと言えば大手退職代行会社の一つですが、民間企業である「株式会社アルバトロス」が運営(退職代行モームリは“管理”と呼んでいる)していることもあり、常に「モームリは違法ではないか?」という疑問に晒されています。

退職代行は運営者別に大きく3つに分かれていますが、労働組合・弁護士が運営するものは会社との退職交渉が可能、民間企業の運営は会社との退職交渉ができないと法律で定められています。

退職代行で退職を完了させることは「会社と労働者が交わした雇用契約を解除する法律行為」にあたりますが、モームリが行っている退職代行は違法なのでしょうか?

ということで、このページでは退職代行モームリが違法なのか?について見解をまとめていきます。

退職代行の利用を考えている方にとっては重要な情報になりますので、ぜひ最後までご覧ください。

退職代行モームリは違法?

退職代行モームリは違法なのかについて、まずは当事者のモームリの主張を見ておきましょう。

退職代行モームリは合法?

退職代行モームリのホームページを見ると、他の民間企業運営の退職代行とは異なり「顧問弁護士(オーシャン綜合法律事務所 梶田潤弁護士)監修」「労働組合(労働環境改善組合)提携」「株式会社アルバトロスが管理(実質的な運営)」という3つの特徴があり、自分たちが提供する退職代行サービスは合法であると主張しています。

モームリは「労働環境改善組合」と提携しており、労働組合の組合員が団体交渉権を持って交渉を行います。また、運営内容も弁護士の確認のもとで行われています。

退職代行モームリは、株式会社アルバトロスが主体として管理しているが「労働組合と提携し、弁護士の監修のもと運営されており、法律に関わる交渉は弁護士や労働組合が担当するので違法ではない」という“建て付け”で運営を行っているようです。

退職代行モームリができる業務としては、

会社への代行連絡
退職手続きサポート
会社との交渉

となっています。

退職代行モームリは違法?

退職代行モームリは適法運営していると主張し、実際、ネット上の情報は「退職代行モームリは違法ではない(合法である)」との記述が多くなっています。

しかし先般、東京弁護士会のホームページに注意喚起を促す「退職代行サービスと弁護士法違反」というページが新しく作られました。

記載内容を見ておきましょう。

【事例2】
・本人の要望は、契約期間の途中で会社を辞めること、及び在職中に受けたパワハラの慰謝料を請求することであった。
・業者は、労働組合と提携しており、法律的な問題について話し合い(交渉)になったら、提携先の労働組合が行うとしていた。本人は、業者に代金を支払って、依頼した。
・業者は、本人に代わって、会社に対して伝えたところ、会社側は「パワハラなんかしていない。」と主張した。
・業者は、労働組合と交代し、労働組合が話し合いを行った結果、会社はパワハラを認め、慰謝料が支払われることになった。
 
【解説】
契約期間の途中での会社を辞めること(雇用契約の解約)や、パワハラを受けた場合の慰謝料などの損害賠償請求は、法律的な問題です。

本事例では、業者は、本人から代金を受け取って、法律的な問題について話し合い(交渉)になったら、提携先の労働組合が行うとしています。しかしながら、お金を受け取って、法律的な問題の処理を他者(本事例では労働組合)へ斡旋することは、非弁行為です。

引用:退職代行サービスと弁護士法違反

先に触れた通りモームリは「退職意思の伝達のみを行なっていて、会社との交渉は行っていない。交渉が必要な場合は提携先の労働組合や弁護士(法律的に交渉権限あり)へ依頼し、労働組合や弁護士が交渉を行うので違法ではない」という主張をしていますが・・・

東京弁護士会は、そういった “運営スキーム” について「非弁行為(弁護士法72条違反)」と結論づけています。

【結論】モームリの退職代行は非弁行為に該当し違法である

 

無償で退職代行を行なっているのであれば問題はないのですが、依頼者からお金を受け取って業務を行う限り、退職代行モームリのような民間企業が運営するスキームは、モームリ自身がどう考えるかとは全く関係なく違法となります。

退職代行モームリの撃退方法

退職する自由は労働者の権利として強く保護されており、企業としては従業員が退職代行を使ってきた場合、拒否することはできません。

しかし「モームリの退職代行が違法である」ということであれば、話は別です。

もしあなたが会社に人事担当でモームリから退職代行の電話があったとしても、慌てないで大丈夫。モームリが行なっている退職代行は非弁行為にあたり弁護士法違反になるのであれば、モームリの話す内容を聞く必要はありません。

退職代行モームリは撃退できる

東京弁護士会の結論の通り、モームリは依頼人の代理となることはできませんので「モームリがやっていることは非弁行為になる」ことを伝えて電話を切って構いません。

私自身、とある企業の人事担当をしていましたが、モームリから来た退職代行の電話を撃退したことがあります。

「御社のやっていることは非弁行為ですよね。代理権のない方とはお話しはできませんので本人に直に確認いたします。」

と相手に伝えて電話を切ればOKです。

モームリの担当者が「本人への連絡をしないで欲しい」と言ってきたとしても、無視して本人に連絡取り、退職意思を確認してください。

これだけで退職代行モームリを撃退することは可能です。

まとめ

今回は「モームリは違法なのか?」について解説しました。

モームリは「退職意思の伝達のみを行なっていて、会社との交渉は行っていない。交渉が必要な場合は提携先の労働組合や弁護士(法律的に交渉権限あり)へ依頼し、労働組合や弁護士が交渉を行うので違法ではない」という主張をしていますが、東京弁護士会によると「非弁行為に該当し違法である」という結論となります。

退職代行を法的根拠をもって行うことができるのは、運営者が「労働組合」もしくは「弁護士」の場合に限られます。

退職代行モームリに限らず、労働組合や弁護士ではなく「退職代行〇〇です」と名乗ってくる場合は、すべて弁護士法違反の退職代行と考えて良いでしょう。

退職者としては「退職代行を依頼したにもかかわらず、会社から連絡が入って自分自身で退職手続きをする羽目になる」というリスクを背負うことになりますので、労働組合や弁護士運営の退職代行を利用するようにしましょう。