退職すると決めたら、会社(上司)に退職の意思表示として、退職『願』(退職願と退職届の違いはこちら)を提出することになりますが、その退職願はいつのタイミングで出せばいいのでしょうか?
今回は「退職願を出すタイミング・時期」について見ておきましょう。
退職願を出すタイミング・時期のルール
民法では『雇用期間の定めのない契約の場合は、退職の申し入れをして2週間経過すれば雇用契約が終了する』という条項があります。
ただ、法律的には2週間で良くても、会社としては、後任の選定・求職、引き継ぎの期間、そして有給休暇の消化期間も含めて退職時期を決めていく手順となり、そういった期間を想定して、別途、就業規則で「自己都合退職の申し出は〇日前」とするという規則を定めています。自己都合退職の申し出の期限は「60日前」や「90日前」になっていることが一般的です。
そして、就業規則に記載された退職の申し出時期が守られない場合は、「退職時の引継ぎが適切に行えなかった」などを理由として懲戒処分の対象となり、退職金の減額規定に該当し、退職金が減額されるということも起こりえます。
無駄なトラブルを生まない為にも、退職の申し出をする場合は、就業規則の規定や自分自身の有給休暇の消化期間も考慮した上で、適切なタイミングで会社(上司)に話をしていくことが必要です。
たまに、会社(上司)への退職の申し出をする前に、同僚に退職の話をしてしまい、噂話が上司の耳に入って揉めるケースを見かけますが、会社への退職の申し出を正式に行う前は、同僚にも一切口外しないようにしておきましょう。
退職願を出すタイミング・時期
退職を申し出るタイミング・時期については、会社の業務状況や自分が任されている業務・プロジェクトの進捗状況も踏まえる必要があります。
退職願を出すタイミングとしては、退職者が多い時期である年末(12月末)や年度末(3月末)に合わせて退職を申し出るというのが一般的には望ましいでしょう。年末や年度末は、業務の切り替わり時期であることが多く、退職者や異動などが例年あり、引き継ぎがしやすいという利点があります。
また、会社の繁忙期は外して退職時期を決めたり、自分が関わっているプロジェクト等が終了する時期に合わせて退職の申し出を行っていくということが重要です。
繁忙期の期間中に退職しようとしても、そもそも上司から話を聞いてもらえる環境になかったり、プロジェクトが進んでいる間は仕事の責任や引き継ぎの困難さなどがあったりで、会社との関係がこじれてしまい、円満退職が難しくなる可能性が高いでしょう。
退職願を出すタイミング・時期 まとめ
退職願を出して退職を申し出る場合は、民法上は『退職の申し入れをして2週間経過すれば雇用契約が終了できる』ものの、上記で説明した通り、就業規則に定められたルールや会社の業務の状況も含めて検討することで、スムーズに会社と退職の話し合いができるようにしましょう。
ただし、会社側がブラック企業など誠意ある話し合いができないような相手であったり、精神的なダメージで出社できないような場合は、無理をせず、退職代行を利用するなどして法律上の権利を行使するべきです。